17歳の若さでウィーン交響楽団のコンサート・マスターになるなど、輝かしい活動でしられたバイオリン奏者、ヴォルフガング・シュナイダーハン(Wolfgang Schneiderhan)さんが亡くなった。
同交響楽団の発表によれば、2002年5月10日、ウィーンの病院で亡くなったという。86歳だった。死因は公表されていない。
ヴォルフガング・シュナイダーハンさんは、1915年、ウィーンに生まれ、26年にはバイオリニストとして正式にデビューしている。すでにそれ以前から天才的なバイオリン奏者として注目されており、その名声は「最年少かつ最高」とうたわれたウィーン交響楽団のコンサート・マスター就任により決定的なものとなった(彼は1949年まで12年間、この地位にあった)。
38年からはオットー・シュトラッサー(第2バイオリン)らと共にシュナイダーハン弦楽四重奏団を結成し、これも高い評価を得て、ほかにもソリストとしての活動も含め彼の地位は揺るぎのないものとなっていった。
全ヨーロッパ器楽奏者協会(ESTA)のオーストリア代表をつとめ、55年にはスイスのルツェルン祝祭弦楽合奏団の創設している。また48年には、名ソプラノとして知られたマリア・テレジア・イルムガルド・ゼーフリートと再婚を果たし、これも話題になった。
写真は彼の『Beethoven/Mozart: Violin Concertos』(Deutsche Grammophon)