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小諸なる古城のほとり - 島崎藤村/弘田龍太郎
小諸なる古城のほとり
大正14年(1925年)8月31日作曲
小諸なる古城のほとり
島崎藤村
小諸なる 古城のほとり
雲白く 遊子悲しむ
緑なす 繁蔞は 萌えず
若草も 籍くによしなし
しろがねの 衾の 岡辺
日に 溶けて 淡雪流る
あたたかき 光はあれど
野に 満つる 香も 知らず
浅くのみ 春は 霞みて
麦の 色わずかに 青し
旅人の 群はいくつか
畠中の 道を 急ぎぬ
暮行けば 浅間も 見えず
歌哀し 佐久の 草笛( 歌哀し)
千曲川いざよう 波の
岸近き 宿にのぼりつ
濁り 酒濁れる 飲みて
草枕しばし 慰む
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島崎藤村 |
しまざき・とうそん
明治5年2月17日〜昭和18年8月22日
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弘田龍太郎 |
ひろた・りゅうたろう
明治25年6月30日〜昭和27年11月17日
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