養老小唄 ---- 朝居丸子
養老小唄
朝居丸子
野口雨情 作詞
藤井清水 作曲
養老養老と 養老の瀧は
裾もぬらせば ソリヤアイヤセ袖もひく
春の曙 櫻の花は
松の中から 乱れ咲く
養老養老と 山ほととぎすア
誰と泣氣で ソリヤアイヤセ來たのやら
夏が來るのか 木と木の蔭に
赤いつつじの 花が咲く
養老養老と 紅葉のたより
あれは養老の ソリヤアイヤセ戀だより
秋の空とて 月ア澄み渡る
晴れてくれぬか 心まで
養老養老と 白雪ヤとけて
谷間づたいの ソリヤアイヤセ水となる
水ぢや養老の 谷間の泉
時にや孝子の 酒となる
なぜか高田は 素通りや出來ぬ
養老街道に ソリヤアイヤセ關がある
源氏橋越しや 養老も近い
風もそよそよ 吹いて來る
一夜千夜は 養老のことよ
あすの夜明が ソリヤアイヤセなほなけりや
一夜千夜の この夜があけりや
またも高田の 泣き別れ
一重櫻を 養老に植ゑて
花が咲くなら ソリヤアイヤセ八重にさけ
花は咲いても 咲かりよか八重に
一重櫻を 植ゑながら
高田高田と 高田の町を
廣い狭いと ソリヤアイヤセいはしやせぬ
養老街道の 高田の町は
ただの一筋 町ぢやない
昭和五年六月発売 ビクター
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