小諸なる古城のほとり ---- 荻野綾子 歌
小諸なる古城のほとり
荻野綾子 歌
島崎藤村 作詞
弘田龍太郎 作曲
沢崎秋子 ピアノ伴奏
小諸なる古城のほとり
雲白く遊子悲しむ
緑なすはこべは萌えず
若草も籍くによしなし
しろがねの衾の岡辺
日に溶けて淡雪流る
あたゝかき光はあれど
野に満つる香も知らず
浅くのみ春は霞みて
麦の色わずかに青し
旅人の群はいくつか
畠中の道を急ぎぬ
暮行けば浅間も見えず
歌哀し佐久の草笛
歌哀し佐久の草笛
千曲川いざよう波の
岸近き宿にのぼりつ
濁り酒濁れる飲みて
草枕しばし慰む
昭和九年八月発売 ビクター
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