日本の歌の根源の一つである子守唄。
その「復権」を目指して一冊の本が完成した。『環』(かん/藤原書店)の別冊として作られた『子守唄よ、甦れ』(写真)である。
NPO日本子守唄協会の西舘好子、松永伍一(詩人)、市川森一(脚本家)ら有力者が中心になってまとめられたこの本、歌の本質を求めて多角的でユニークな記事が並んでいる。
子どもたちの歌については、少し前にずいぶんと怪しい著書が話題になったが、こういう真摯な姿勢の見える出版物こそ望まれる。読み応え充分の好著だ。
収められた記事には、以下のようなものがある(一部)。
*子守唄は「いのちの賛歌」(鼎談=松永+市川+西舘)
*子守唄とは何か(インタビュー=尾原昭夫)
*類歌はなぜ多いのか(原荘介)
*サトウハチロー--オフクロ仕込みの子守唄(佐藤四郎)
*子守唄の光と影(松永伍一)
*子守唄はなぜ隠れ里に残されているのか(藤田正)
*アリラン--五木に伝わるのは子守唄か(村上雅通)
*医学から見た子守り歌(小林豊)
*動物たちの子守唄(中川志郎)……ほか。
NPO日本子守唄協会:
http://www.komoriuta.jp/