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文化の恩人 ---- 『工業唱歌』
文化の恩人
一、ゼームス・ワット
かぶせし蓋を押し上げて、
沸き立つ湯気の力より、
いく年月の辛苦経て、
蒸気機関を発明し、
不発の功を奏したる、
ワットは世界の大偉人。
二、ジョージ・スチブンソン
父は 炭坑火夫たりし、
貧家の内に身を起し、
ただ熱心と勉強と、
鉄道事業の発明に、
不朽の名誉を博したる、
スチブンソンは世の 恩者。
三、ジャック・ハード
貧賎その身を 玉成し、
製し出だせる 機織機
リヨンの都を風靡して、
時の帝に皇后に、
知遇を得たるジャックハード、
天下の志士の 好模範
四、トーマス・エヂソン
身は鐵道の小ボーイ、
実験室を我部屋に、
つくりて研きし学成りて、
発明遂げたる電燈の、
めぐみを遺すエヂソンは、
地球を照らす光なり。
五、左 甚五郎
わがたのみしは貧しきに、
ありと歌ひて里人の、
笑ふも知らず顧みず、
一心刀を手に執りて、
彫刻つとめし甚五郎、
「左」の名こそ八千代なれ。
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