<著者紹介>
もり・おうがい(森鷗外)。本名は森林太郎(もり・りんたろう)。石見国津和野(現・島根県津和野町)に生まれる。明治・大正期の小説家であり、評論家、翻訳家、劇作家としても作品を残し、幅広い分野に大きな影響を与えた。陸軍軍医(中将相当)、官僚(高等官一等)でもあった。ドイツで4年間過ごした後、訳詩編「於母影」、小説「舞姫」、翻訳「即興詩人」を発表する。日清戦争出征や小倉転勤などにより、創作活動から遠ざかったものの、『スバル』創刊後に『ヰタ・セクスアリス』『雁』などを発表した。
1862年2月17日(文久2年1月19日)生−1922年(大正11年)7月9日没
<作品データ>
「雁」
初出:1911年(明治44年)9月から1913年(大正2年)5月の文芸雑誌「スバル」、及び「雁」籾山書店に掲載。
作品について:小説。高利貸しの妾・お玉が、医学生の岡田に想いを寄せるも何も出来ないまま岡田は洋行する。女性のはかない心理描写を描いた作品。