<著者紹介>
なつめ・そうせき。本名は夏目金之助(なつめ・きんのすけ)。森鴎外と並ぶ明治・大正時代の文豪。江戸の牛込馬場下横町(現在の東京都新宿区喜久井町)出身。大学時代に正岡子規と出会い、俳句を学ぶ。帝国大学(後の東京帝国大学、現在の東京大学)英文科卒業後、松山で愛媛県尋常中学教師、熊本で五高教授などを務めた後、イギリスへ留学。帰国後、東京帝大講師として英文学を講じながら、「吾輩は猫である」を雑誌『ホトトギス』に発表。これが評判になり「坊っちゃん」「倫敦塔」などを書く。晩年は胃潰瘍に悩まされ、「明暗」が絶筆となった。
慶応3年(1867年) 2月9日生−大正5年(1916年)12月9日没
<作品データ>
「草枕」
初出:1906年(明治39年)「新小説」に発表。
作品について:冒頭の「智に働けば角がたつ。情に掉させば流される。意地を通せば窮屈だ」が有名。青年画家の非人情を描いた作品。