<著者紹介>
ひぐち・いちよう。本名は樋口奈津(ひぐち・なつ)。わずか24歳という短い人生、さらに1年半という短期間に「たけくらべ」「にごりえ」「十三夜」といった秀作を発表する。東京府庁構内(現在の東京都千代田区)の長屋で生まれる。歌人としては夏子、小説家としては一葉、新聞小説は浅香のぬま子、春日野しか子として筆名を使い分けている。肺結核により死去。2004年(平成16年)11月1日から五千円紙幣の肖像画として採用される。
明治5年(1872年)5月2日生−明治29年〈1896年〉11月23日没
<作品データ>
「にごりえ」
初出:1895年(明治28年)「文芸倶楽部」に発表。
作品について:銘酒屋の遊女お力が、落ちつぶれて妻子とも別れた源七と情死するまでを描く。