兎と亀 ---- 石原和三郎/納所弁次郎
明治34年(1901年)7月
『 幼年唱歌 二編上巻』
兎と亀
(うさぎとかめ)
兎と亀
石原和三郎
一、
もしもし 亀よ 亀さんよ
世界のうちで(※) お 前ほど
歩みののろい ものはない
どうしてそんなに のろいのか
二、
なんとおっしゃる 兎さん
そんならお 前と かけくらべ
むかうの 小山の 麓まで
どちらが 先に かけつくか
三、
どんなに 亀が いそいでも
どうせ 晩まで かかるだろ
ここらでちょっと ひとねむり
グーグーグーグー グーグーグー
四、
これは 寝すぎた しくじった
ピョンピョンピョンピョン
ピョンピョンピョン
あんまり 遅い 兎さん
さっきの 自慢は どうしたの
※ 初出:「うちに」
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