大正15年(1926年)9月作曲
ころころ帽子
西欧の映画の1シーンを観ているようなモダンな童謡。
歌に登場する色鮮やかな「ダリア」は、明治期にブームとなり、大正に入っても大変に人気のある花だった。「ころころ帽子」は、そんな日本人の趣向を滲ませているとも言えるだろう。若山牧水作詞、本居長世作曲の作品にも可愛らしい「ダリア」という童謡がある。
石川啄木にもダリアにまつわる歌を詠んでいる。それは啄木が肺結核で療養していた明治末頃のもので、妻との暗い確執の中で作られた。
「放たれし女のごとく わが妻の振舞ふ日なり ダリアを見入る」