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作曲白秋民謡集「繰絲の歌」 北原白秋
繰絲の歌
1
箒しづかに 索諸しやんせ、
繭は 柔肌、 絹一重。
わたしやお 十七、 花なら 蕾、
手荒なさるな、また未通女。
2
いつもほどよい 繰絲湯の 繭よ、
すまず、にごらず、つやつやと。
惚れりやほどよく、 熱いはさめる、
燒かず、はなれず、さらさらと。
3
ひとつひとつとつけたせ、 繭は、
慾にからめば 度外絲。
一人や 一人に 情增せ、 戀は、
兩つどりすりや、 義理知らず。
4
截附しやんすな、 縁切らしやるな、
巻けば 巻きつく 繭の 絲。
よりによりかけ、からんだ 絲よ。
おまへ 切れても、わしや 切れぬ。
5
いとし 小枠へ 巻きとる 絲は、
それは 黄の 絲、 白い 絲。
むしれむら 絲、むらなく、きよく、
いつもむら 氣じや 身がもてぬ。
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作曲白秋民謡集 北原白秋著 |
作曲白秋民謡集
發兌 改 造 社
昭和4年(1929年)2月3日発行
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