六騎
御正忌參詣らんかん、
情人が
髪結うて
待つとるばん。
御正忌參詣らんかん、
寺の
夜あけの
細道に。
鐘が
鳴る、
鐘が
鳴る、
逢うて
泣けとの
鐘が
鳴る。
(註)筑後柳河の南半里に、私の��里沖の端村がある。漁村である。昔平家の落武者が六騎、ここに來て村を開いた。で、この村の漁夫たちのことを六騎(ロッキュ)と今でも呼んでゐる。御正忌は親鸞上人の御正忌である。その師走の一週間といふもの寺々では夜の明けから鐘が鳴り、法談がある。わかい男女の樂しいあひびきの季節である。やねとは情人のことであるが、卑俗に用ゐられる。