アイヤンの歌
いじらしや、
ちゆうまえんだのゆふぐれに
蜘蛛が
疲れて
身をかくす。
ほんに
薊のむらさきに
刺が
光るぢやないかいな。
アンテレガンのあん
畜生はふたごころ、
わしやひとすぢに。
(註)アイヤン(下女)ちゆうまえんだ(私の寶家の菜園の名)
アンテレガンはおらんだなまりででもあらうか。この句は長崎から柳河地方にかけて歌はれる「朝顔ぶし」のおしまひの囃子である。で、この唄も朝顔ぶしとして初めは作つたのである。その歌調は「有明ぶし」とよく似てゐる。なほこの唄はサノサぶしとしてもうたへる。