城ヶ島の雨
雨はふるふる、
城ヶ
島の
磯に、
利休鼠の
雨がふる。
雨は
眞珠か、
夜明の
霧か、
それともわたしの
忍び
泣き。
舟はゆくゆく
通り
矢のはなを
濡れて
帆あげたぬしの
舟。
ええ、
舟は
櫓でやる、
櫓は
唄でやる、
唄は
船頭さんの
心意氣。
雨はふるふる、
日はうす
曇る。
舟はゆくゆく、
帆がかすむ。
(註)大正二年の夏、早稻田音樂會から頼まれてこの舟唄一篇を作つた。最近また山田耕筰氏の作曲もついた。これは松前追分で歌つてもいい。