菩提樹 ---- 近藤朔風/シューベルト
明治42年(1909年)11月発行
『 女声唱歌』
菩提樹
作詞 ミュラー
菩提樹
近藤朔風
泉に 沿いて 繁る 菩提樹
慕い 行きては うまし 夢見つ
幹には 彫りぬ ゆかし 言葉
うれし 悲しに 訪いしそのかげ
今日もよぎりぬ 暗き 小夜中
真闇に 立ちて 眼とずれば
枝はそよぎて 語るごとし
「 来よ いとし 侶 ここに 幸あり。」
面をかすめて 吹く 風寒く
笠は 飛べども 棄てて 急ぎぬ
はるか 離りて 佇まえば
なおも 聞ゆる「ここに 幸あり。」
はるか 離りて 佇まえば
なおも 聞こゆる「ここに 幸あり。」
「ここに 幸あり。」
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