守さ子守さ
(子守唄)
愛知県民謡
三河にあった子守唄だという。厳密には「守り子唄」であり、子守り仕事を任せられてた女の子が、背中で泣く赤ん坊をうとましく思っていることを独白している。こういう守り子からのメッセージは、明治から昭和初めにかけて、沖縄などをのぞく日本の広域で、膨大な量が作られた。
メロディは、いくぶん奇妙なタッチで、それはヨーロッパの五線譜で書き表した場合、無理が生ずることに起因している。『世界音楽全集13 日本民謡曲集』によれば、この歌に関して「日本の民謡には陰旋陽旋のどちらともつかぬ中間の音がある。これは現今の洋式記譜法では到底正確に記録しえないし、平均率楽器では弾けない」としている。