Swing Low, Sweet Chariot
黒人霊歌
アメリカの「黒人霊歌」の代表的な1曲。ゆったりとした冒頭部が、礼拝の荘厳さを表現し、続く「comin' for to carry me〜」の、たたみかける箇所を、ノリのいいリズムで処理するという、アフリカ系の人々ならではのセンスが活かされた名作である。
ゆったりと、懐(ふところ)深く歌うのが基本。
題名にある「チャリオット」とは、二輪馬車のこと。
「スウィング・ロー・スウィート・チャリオット」は原曲が1872年に出来上がったとされているが、世界的に有名になるのは20世紀に入ってからのことである。そのきっかけの一つが、ドボルザークの「交響曲第9番(新世界から)」(1893)で、この中に「スウィング・ロー…」が使われた。
ドボルザークはまた、彼がニューヨークのナショナル音楽院に籍を置いた時代、弟子たちに黒人音楽やネイティブ・アメリカンの音楽を学ぶことの必要性を説いたが、それがウィリアム・アームズ・フィッシャーの『セブンティ・ニグロ・スピリチュアルズ』(1926年)や、ヘンリー・T・バーレイらの活躍につながった。バーレイは「スゥイング・ロー…」を現在歌われているように編曲しなおした人物である。
Swing Low, Sweet Chariot
Swing low sweet chariot,
Comin' fo' to carry me home,
Swing low sweet chariot,
Comin' fo' to carry me home.
I look over Jordan and what did I see,
Comin' fo' to carry me home,
A band of angels comin' after me,
Comin' fo' to carry me home.