風 ---- 文部省唱歌
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風神雷神図(風神) 俵屋宗達 |
風
文部省唱歌
一、
風よ 風、
そもいづちよりいづち 吹く。
草の 上、やぶの 中、
岡を 過ぎ、 谷を 過ぎ、
鹿も 通はぬ
奥山こえて。
ニ、
風よ 風、
そもいづちよりいづち 吹く。
池の 上、 森の 中、
村を 過ぎ、 里を 過ぎ、
鳥も 通はぬ
荒海こえて。
三、
夜はふけぬ。
燈消してねに 行けば、
泣くがごと、むせぶごと、
戸をたたき、まどをうつ。
風やうらやむ、
我が 此のふしど。
四、
夜は 明けぬ。
とく 起出でて 園見れば、
草はふし、 木はたふれ、
花は 散り、 實は 落ちぬ。
風や 荒れけん、
夜すがら 此處に。
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