大正3年(1914年)
『
尋常小学唱歌 第六学年用』
故郷
「ふるさと」。唱歌の傑作。卒業式のスタンダード・ナンバーでもある。
「兎を追う」とは、単に野山でこの小動物と遊ぶことではない。ウサギを狩るのである。つまり表向きは肉食を禁じていた日本人が、実はそうではなかったことが、この甘酸っぱい追憶のフレーズに表わされている。
二番目の「友がき」(友垣)とは、友だちのこと。垣をしっかりと結ぶように、人と人とのまじわりを、かつてはこうたとえた。
「つつがなしやともがき」にしても、「うさぎおいしかのやま」にしても、もはや理解されることなく岡野貞一のメロディに乗せてうたわれることが多い現代となった。
1914(大正3)年、『尋常小学唱歌 第六学年用』に登場。