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早春賦 ---- 吉丸一昌/中田章
大正2年(1913年)2月出版
『 新作唱歌 第三集』
早春賦
(そうしゅんふ)
早春賦
吉丸一昌
一、
春は 名のみの 風の 寒さや。
谷の 鶯 歌は 思えど
時にあらずと 声も 立てず。
時にあらずと 声も 立てず。
二、
氷解け 去り 葦は 角ぐむ。
さては 時ぞと 思うあやにく
今日もきのうも 雪の 空。
今日もきのうも 雪の 空。
三、
春と 聞かねば 知らでありしを。
聞けば 急かるる 胸の 思いを
いかにせよとの この 頃か。
いかにせよとの この 頃か。
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