昭和16年(1941年) 『ウタノホン(上)』
江戸の子守唄
沖縄などをのぞき、日本各地に伝わる有名な子守唄。別名、「江戸の子守唄」とも言われる。子守唄の中では「寝かせ唄」の部類に入る。
歌詞に出てくる「でんでん太鼓」とは、柄の付いた小さな両面太鼓のこと。太鼓には、小粒の重りが付いた2本のヒモがくくられており、太鼓の柄をふると重りが太鼓の皮にぶつかって「でんでん」と音を立てる。アフリカにも同様の、幼児用の楽器がある。
「笙の笛」とは、現代では宮中の雅楽にだけ用いられる古来からの楽器。多数の竹の管を用いる。
この子守唄は、各地でさまざまなバリエイションを生んでおり、一例としては「〜里のみやげになにもろた、でんでん太鼓、笙の笛、起きあがり小法師に犬張子、それをもろうてなににする、叩いたり吹いたりして遊ぶ」(兵庫県)などがある。
教科書では国民学校の「ウタノホン(上)」で、初めて選ばれた。