近江八景 ---- 文部省唱歌
近江八景
文部省唱歌
一、
琵琶の形に似たりとて
其の名をおへる湖の、
鏡の如き水の面、
あかぬながめは八つの景。
ニ、
まづ渡り見ん、瀬田の橋、
かがやく入日美しや。
粟津の松の色はえて、
かすまぬ空ののどけさよ。
三、
石山寺の秋の月、
雲をさまりてかげ清し。
春より先に咲く花は、
比良の高ねの暮の雪。
四、
滋賀唐崎の一つ松、
夜の雨にぞ名を得たる。
堅田の浦の浮御堂、
落來るかりもふぜいあり。
五、
三つ四つ五つうち連れて、
矢橋をさして歸り行く
白帆を送る夕風に、
聲程近し、三井のかね。
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