大正10年8月10日(1921年)
『「赤い鳥」童謡 第五集』
ちんちん千鳥
「浜千鳥節(ちじゅやー)」が代表的な沖縄をふくめ、千鳥をテーマにした歌は多い。寂しそうな千鳥をテーマにしたとみせかけているが、その鳥の姿とは人間の写し絵である。
「ちんちん千鳥」は、白秋・成田のコンビが成田のドイツ留学のために解消となった、その最後の時期の1曲。その後、成田に作曲を学んだ草川信(「夕焼小焼」「夢の小函」ほか)が、『赤い鳥』に登場する。
成田為三によるこの歌の伴奏(リズム)は、キューバのハバネラを彷彿させるパターンであり、時代的にも新しい感覚を用いている。
同一の曲名と歌詞で
宮原禎次 と
近衛秀麿 の曲がある。