江戸時代
伊豫節
愛媛県民謡
愛媛に伝わる「伊予節」は、同地の名所名物をおり込み「三津の朝市、道後の湯、音に名高き五色素麺、十六日の初桜、吉田さし桃、小杜若(こかきつばた)、高井の里のていれぎや、紫井戸や片目鮒、薄墨桜や緋の蕪、チョイト、伊予絣(かすり)」と歌われる。
堀内敬三によれば、この歌は弘化3、4(1846、7)年に流行し、明治維新後も遊郭で盛んに歌われたという。メロディはいわゆる「民謡」とはかけ離れており、いかにも花街の出身である。ここに紹介している歌詞にも、大都会・江戸の情緒がたっぷりと歌いこまれている。