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詩集『都会と田園』「畑ン中」 野口雨情
大正8年(1919年)6月発行
詩集『都会と田園』より
畑ン中
真昼間でごわせう
畑ン中に、 田鼠が一匹
斑犬に掘りぞべられて
イヤハヤ
むんぐらむんぐら居やあした
畑の土は、 開闢このかた、黒いもんか
どなもんか
真の所、烏に聞いて見やあすべい
畑ン中は、青空天井、不思議はごわすめえ
喉笛鳴らした、ケーケーケー
鶏が走つた
こりやまた事かと 魂消払つて見てやあした
蜻蛉が一匹
追つかけ廻つた、 啄くわ啄くわ
ぶつ飛びあがつた、飛んだわ飛んだわ
蜻蛉は御運でござりあした
地主様の一人娘が
娘に 二種何処にごわせう
どゞの 詰りが
エヘン
孕み女になりやあした
畑ン中の豆ン花 何なもんだ
朝つぱらから何事ぶたずに
べろりと咲いてござりやあす
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野口雨情 |
のぐち・うじょう
明治15年5月29日〜昭和20年1月27日
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詩集『都会と田園』 野口雨情著 |
詩集『都会と田園』
大正8年(1919年)6月発行
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