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歌謡集『波浮の港』「ヤツチキ、バツタン」 野口雨情
昭和4年(1929年)7月発行
歌謡集『波浮の港』より
ヤツチキ、バツタン
一
芥子の種から
芽が出て 伸びた
ヤツチキ、バツタンシヨ
しなり、くなりと、
夜昼してて
ヤツチキ、バツタンシヨ
蝶々 迷はす
花咲いた
二
胸の炎が
口からもれて
ヤツチキ、バツタンシヨ
手の甲てのひらぢや
かくすことア出来ぬ
ヤツチキ、バツタンシヨ
鼻の先から
火が燃えた
三
見せな お医者さん
おら 家の馬は
ヤツチキ、バツタンシヨ
駆けてあるいて
茨を 踏んで
ヤツチキ、バツタンシヨ
脚に茨の
刺さした
四
蚯蚓よく聞け
おけらも聞きな
ヤツチキ、バツタンシヨ
馬も食べない
おたふく豆も
ヤツチキ、バツタンシヨ
莢がはじけりや
皆はねる
五
土を掘つくり返し
かつくり返してる
ヤツチキ、バツタンシヨ
前の畑に
田鼠アゐるに
ヤツチキ、バツタンシヨ
今日も朝から
日が当る
六
雁が啼くから
出て空見たら
ヤツチキ、バツタンシヨ
毛など落して
空ゆく雁は
ヤツチキ、バツタンシヨ
どこの 田圃へ
寝るのやら
七
鳴子引いたら
雀が逃げた
ヤツチキ、バツタンシヨ
逃げた雀が
後ふり向いて
ヤツチキ、バツタンシヨ
天道さまなら
明日おいで
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野口雨情 |
のぐち・うじょう
明治15年5月29日〜昭和20年1月27日
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歌謡集『波浮の港』 野口雨情著 |
歌謡集『波浮の港』
昭和4年(1929年)7月発行
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